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「慢性胃炎」と言われたら

胃カメラや胃のバリウム検査を受けたときに、「慢性胃炎がありますね」などと言われたことがある方も多いと思います。ここでは、その慢性胃炎について紹介してみようと思います。

どんな状態が慢性胃炎なのかというと、その名の通り、長期間にわたり慢性的に胃炎の状態が続くことにより、胃の粘膜が萎縮してしまったり、荒れてしまう状態になります。多くはピロリ菌が原因となり、粘膜が萎縮してしまった状態を「慢性萎縮性胃炎」といいます。正常では胃の粘膜にはたくさんのひだがありますが、粘膜が萎縮してしまうことにより、胃の出口の方から徐々にこのひだがなくなっていきます。これが進行すると、食欲がわかない、食後に胃もたれがある、胃が重い、などといった症状が出てくることがあります。また、この萎縮した粘膜は、正常の胃粘膜の人と比べると胃がんが発生しやすいといわれており、定期的な胃カメラでの観察が勧められています。

残念ながら、一度胃の粘膜が萎縮してしまうと、ピロリ菌を除菌しても再生することはなく、症状が残ってしまうことも少なくありません。このような場合は、胃酸を抑える薬や胃の動きを良くする薬、また漢方などを組み合わせて内服することで、症状の改善が見込めます。

機能性消化管障害

非びらん性胃食道逆流症、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群

機能性消化管障害とは、消化管(食道から十二指腸、小腸、大腸、肛門)の運動障害により引き起こされるもので、非びらん性胃食道逆流症、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などが含まれます。多くはストレスによって引き起こされ、他には食事などの影響や、気温の変化が激しいときに発症することもあります。

①非びらん性胃食道逆流症

この疾患は、内視鏡では逆流性食道炎を示唆する所見が認められないものの、胃のむかつき、胃酸が上がってくる感じ、つかえ感などの症状を呈するものです。胃と食道のつなぎ目の部分の過敏性が原因とされていますが、他の機能性消化管障害と同様に、ストレスなどの影響も大きいといわれています。治療は胃酸を抑える薬を中心に行いますが、必要に応じて粘膜保護剤や抗不安薬、漢方なども併用します。

②機能性ディスペプシア

胃痛や胃もたれ、すぐに満腹になってしまうなどの症状が長期にわたり続くにもかかわらず、胃カメラで明らかな原因が認められない場合に疑われます。治療は制酸剤を中心に行いますが、ある種の漢方薬が著効することがあり、当院では積極的に漢方治療も取り入れています。

③過敏性腸症候群

ストレスなどの影響により、腹痛や便秘、下痢などの多彩な症状を引き起こす疾患です。これらの症状があり、薬を飲んでもなかなか改善しない場合には、鑑別すべき疾患の一つとなります。ただし、基本的には内視鏡で他の重大な病気がないことを確認したうえで最終的に診断されるものであり、安易に判断できる疾患ではありません。実際に、過敏性腸症候群といわれていた方に検査を行ったところ、潰瘍性大腸炎や大腸がんが見つかったということも経験しています。

これら3つの疾患は、いずれもストレスによって起こり得るものであり、内服治療により比較的早く改善する場合もありますが、状態によっては長期にわたる治療が必要となることもあります。いずれにせよ、他に重大な疾患が隠れていないかを内視鏡などで確認したうえで治療を開始することが望ましいと考えます。
また、「なんとなくお腹の調子がすっきりしない」と感じる場合でも、これらの疾患が関係していることがありますので、思い当たる方は一度ご相談いただければと思います。

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