よく胃カメラを受けると「軽い逆流性食道炎がありますね」などと言われたことがある方も多いと思います。ここではその逆流性食道炎について説明をしてみます。
この疾患は字の通り、胃酸が食道に逆流(上がってくる)することにより、胃と食道の境目にある粘膜が傷つくことにより生じるものです。
また胃カメラでは明確に粘膜の傷害がなくても、粘膜が敏感であったり、逆流する胃酸が少量であるため症状を起こすものもあり、この場合を非びらん性胃食道逆流症と言います。
症状としては胃酸が上がってくる、ムカつきが生じると言ったものが代表的で、その他に胸が痛い、声がかすれる、慢性的に咳が出る、喉がつまる感じがする、と多彩な症状を起こします。
原因としては油っこいものをよく食べる、飲酒量が多い、猫背である、肥満であると言ったものが上げられます。
慢性的な逆流性食道炎により別に説明するバレット食道といった状態を引き起こすことがあるので、やはり日常的なケアや、症状がある場合には治療が必要です。
治療は胃酸を抑えるプロトンポンプインヒビター、抗ヒスタミン薬と言った薬が主に使われますが、最近では比較的新しく開発されたボノプラザン(タケキャブ)を用いることもあります。またその他、粘膜保護剤や漢方、胃運動賦活剤などを併用することもあります。
いずれにしても食道がんの発生率を上昇させるバレット食道を引き起こすために、定期的なフォローアップが望ましいとされています。